介護現場は働く場所がない人の受け皿なんてことがよく言われています。
「いやいや、そんなことはないだろう。なかなかできる仕事じゃないんだから」
とお思いの方も多いでしょうが、実際の現場ではその通りという他はありません。
転職するしかない!ブラックな介護施設は労働者の受け皿なのか?
ある男性介護士は元々営業をしていたのですが、「やっぱり人と触れ合う仕事がしたい!」と介護業界に転職しました。
営業も人と触れ合う仕事なのですが、そういうことは彼の頭の中にはなかったみたいです。
しかし、うちの施設に入ってきたものはもう仕方がないですので、一緒に仕事をするわけですが、どうも様子がおかしい。
「○○さんの便ですが、ほぼ多量って言えるくらいの多めの中等量でした」
こんな報告が来ました。それって、もう多量なんじゃ・・・。
わたしはそう言いましたが、彼は納得できないようでした。
「でも、見た感じ中等量だったんです」
そこまで言うなら別に中等量でも構わないのですが、全てにおいてこんな感じで、ちっともこちらの言うことを聞いてくれません。
また、こんなこともありました。
ある入所者さんが転倒。
どんな風に倒れてたのか?と尋ねると、
彼は既にベッド臥床している入所者さんを起こそうとします。
わかりますか?彼は入所者さんの身体を使ってその様子を再現しようとしていたのでした。
「言葉で言って。無理ならあなたがやってみて!」
と伝えても
「はぁ・・・」
と言って、まだ入所者さんを起こそうとしています。
「入所者さんを使わないで。動かさないで!」
と言って、やっとわかったようでした。
嘘のようですが、本当の話です。
多分、軽い適応障害があるのだと思います。前職でも良い結果を出してはいなかったでしょう。
社会人として出来ていない人が介護施設になだれ込む
介護現場では普通の人よりも高いコミュニケーション能力が求められるんです。
きちんと自分の訴えができない人が集まるんですから。
なのに、彼はまったく反対の思考をして介護を始めました。
普通の人とのコミュニケーションは難しいけれど、高齢者なら簡単だろう。と。
これは誰がどうみても大きな間違いです。
「人と触れ合いたくてこの仕事を選びました」
という人をわたしは信用しません。普通に生きていれば普通に人と触れ合えますから。
触れ合いたいかどうかを決めるのは入所者さんです。
スタッフが触れ合いたいかどうかは問題ではありません。
もちろん、触れ合いは大事なことです。
しかし、それはこちらがプロとして差し出す「触れ合い」でなければなりません。
相手が苦手な人であっても「触れ合い」を求めているなら差し出す。求められていないならそっとしておいてあげる。
そういうコントロールが出来てこそプロの介護職ではないでしょうか?
つまり、コミュニケーションのプロでなければならないということです。
あなたの寂しさを紛らわすために入所者さんは存在していません。
厳しいことを言うならば、一般企業で人間関係に失敗するようなこと人では上手く出来なくて当然でしょう。
しかし、施設は彼らを雇います。何しろ人手が足りませんから。でも、これではきちんとした介護なんて出来たものではありません。
今日も介護の現場は真っ黒です。