虐待告発職員に賠償請求されたらしい
東京新聞のWEB(2015年11月23日 朝刊)で見つけました。
障害者の通所施設で虐待の疑いに気付き自治体に内部告発した職員が、施設側から名誉毀損(きそん)などを理由に損害賠償を求められるケースが埼玉県と鹿児島県で起きていることが、分かった。
さらに
法律に従って虐待の疑いを通報したのに、なぜ賠償を求められるのか。障害者虐待防止法には、通報した施設職員に対する不利益な扱いを禁じる規定はあるが、罰則はない。通報者への賠償請求を想定していない上、訴訟を起こす権利までは制限できない。このため、現状では「報復」として通報者が訴えられるリスクは否定できない。
とあります。このような記事を目にすると、今の介護・福祉の現場の恐ろしさがわかりますね。単なる嫌がらせです。これが介護施設側のやることでしょうか?彼らは一般的な社会倫理から外れて組織内の倫理のみで動いています。『社会福祉に邁進する組織 』としてはもっとも進んではいけない方向に進んでいる気がしてなりません。
このような組織が施設を運営している以上、虐待は起こっても仕方ないのではないか?と一般のみなさんは思ってしまうことでしょう。
もしかしたらこれらが虚偽の告発で、「組織に対しなんらかの恨みを持っていた」という可能性もなくはないです。なくはないですが、埼玉県と鹿児島県という離れた県でおこっていてその二つに繋がりがないことや、何より通報により一つは確実に事実であったという調査結果も出ていますから、告発した方に嫌がらせ目的はなさそうな気がします。
ん〜、どう考えても施設側の報復にしか見えてきません。
資金力のある組織相手に個人がどう闘えばいいというんでしょう?裁判には費用がかかります。それに「あいつは内部告発するやつだ」ということになると今後『介護・福祉の現場 』で働くことが非常に難しくなります。実際、履歴書を遡って、「あの職員はどんな職員ですか?」という問い合わせがあるくらいなので・・・。しかも、もし負けたら賠償金を払わねばなりませんし…。
ブラック介護施設に内部告発は無駄?
逆を考えれば、訴える施設側が恥を晒す羽目になったともとれます。こうやって新聞にも名前が出ているわけですし。そんなこともわからない、つまり自浄作用のなさが、今の介護・福祉の現場の怖さではないでしょうか?言うまでもなくブラックな介護施設なのでしょう。
告発は無駄ではありません。虐待を告発することは絶対に悪いことではありません。
しかし、現状では自分が不利になる可能性があるのは事実。そんなブラックな施設にしがみついているのはもったいないと思います。今のところ、何も言わずとっとと転職先を探す方が得策なのでしょう。
→介護施設がブラックかどうかの見極め方はこちらにまとめてあります。
→ブラックじゃない介護施設(≒人が辞めない介護施設)は非公開求人の中にあることが多い理由はこちら。