すぐに転職!ブラック介護施設の経営者がデイサービスを依怙贔屓する理由
うちの施設はデイサービスセンターを持っていて、ほとんど同じ場所に立地しながら本体施設とデイサービスは別館になっています。
わたしが今日お話したいのはデイサービスセンターへの依怙贔屓(えこひいき)です。
うちは地主が立ち上げた社会福祉法人で、典型的な同族経営です。
経営者一族はその地域では有名な地主の集まりですから当然地域には良い顔をしたい。
デイサービスは地域への顔とも言うべき部署で、地域の老人たちも多く利用します。だから当然そこには力を入れるわけです。
職員の配置がおかしい
デイサービスには介護職員が充実しています。例えば食事介助を1対1でできるように。入浴介助では同性介助が出来るように。
本体施設の方は、1対3くらいの餌やりのような食事介助を余儀なくされていますし、入浴も同性介助なんてとても無理です。というか、夜勤明けの職員がそのまま入浴介助をしなければ回りません。
また、地域に顔の効く人を管理職に据えて、クレームやトラブルの処理にあたらせています。施設ではその役をやるべき生活支援員さんが現場のヘルプから抜けだせません。
設備がおかしい
本体施設の電力は節約のためにデマンドコントロールされていて冬は寒く夏は暑いのですが、デイサービスには冷暖房はおろか床暖房まで完備されています。
また、何台もの最新スマホが配られています。送迎などがある以上、スマホや携帯というものはデイサービスにとって必要なものであることはわかります。ですが、施設の職員が使うPHSは本当にひどいんです。30分で充電が切れる・音が鳴らないなど相当くたびれていて、ちなみに、と言うか、すごく大事なポイントなのですが、このPHSは内線だけでなくナースコールにも使われるんです。ナースコールは入所者さんの命綱とも言えるものだと思うのですが・・・。
●ブラック介護施設の経営者はなんとしても地域に良い顔をしたい
デイサービスは赤字なんだそうです。それを本体施設の黒字で埋めています。これは理事会に出席した人から漏れた情報です。
こういった情報の管理がずさんなのもブラックな介護施設ならではでしょう。勤めていて感じたのですが、同族経営の場合、経営者一族は「自分たちと職員」 という分け方をしています。つまり、自分たち以外なら例え役職であろうと見下しています。馬鹿にしてると言ってもいいと思います。「何を知ったとしてもお前たちは文句を言わずに働いていればいい」といった具合に・・・。なのでトップだけで留めておくべき情報もよく漏れます。大事にされてない職員は組織を大事にしないからです。
さて、デイサービスの赤字なんですが、いつもはお金についてうるさい経営者一族がなぜ黙っているのでしょう?
それは地主が経営者になった典型的な考え方の一つで、見栄や外聞にはお金を惜しまないのです。簡単に言うと良い格好をしたい。ですが、これほどの待遇に差があって、かつ自分たちの黒字がデイサービスの赤字を埋めているとなれば、職員間にも確執が出てきます。
ある時、何人かの勇気ある職員が上申しました。すると、
「デイサービスの利用者はお客様だから」
という返答・・・。いや、施設入所者もお客様ですよね?
というわけで、今日も介護の現場はブラックです。