介護現場では「ボランティア」は魔法のことば
介護の世界では「ボランティア」という言葉は本当に都合よく使われています。
・行事の準備はボランティアで。
・職場に合うかどうかをまずはボランティアで。
などなど、うちの施設ではボランティアという言葉が乱発されます。
本来のボランティアの定義は
自主的に社会活動などに参加し、奉仕活動をする人のこと。また日本では、奉仕活動そのものを指すこともある(英語では volunteering)。対義語は義務や徴用など。 ここでは日本における福祉的社会奉仕としての「ボランティア」に限定して記す。(wikipediaより)
ということになっています。
そのどれも自主性のあるものではなく、仕事としてやらねばなりません。これは完全に搾取です。
海外では、「ボランティアというのは自己満足によるものだが、それでもその活動によって助かる人がいるので、どちらも得をするものである」という考え方が浸透しているようですが、ブラックな介護施設の場合はどうでしょうか?
満足するのはタダで働いてもらった経営者だけです。
わたしたち介護職には疲労しかありません。それでも、それを正当化するだけの力がボランティアという言葉にはあるのです。経営者はそれをわかって使っているのです。
介護の世界ではボランティアの言う名目のタダ働きが横行している
先日こんなことがありました。
介護士A君がよく無断欠勤をするので、経営者が怒ったんです。「もう来なくていい!」とすごい剣幕でしたが、A君の謝罪してなんとかクビは繋がりました。しかし、反省の意味で2週間ボランティアとして働くように命じたんです。
これっておかしくないですか?ボランティアってそんな時に使う言葉でしたっけ?
A君のボランティアは命じられたものですから、自主的なものではありません。
それに、クビをつなぐための拘束にあたりますから、対義語の義務や徴用の方が近い感じがしませんか?
これは罰則としてのタダ働きです。完全に被雇用者の足元を見たタダ働きです。
でも経営者はボランティアという魔法の言葉で、罰則としてのタダ働きを正当化している。
もちろん、彼のした無断欠勤を擁護するつもりはありません。無断欠勤や遅刻はみんなに迷惑をかけるよくないことですから。でもこのような罰則はちょっと違う気がします。
これは介護現場独特のやり方だと思います。
これが普通の工場なら通用しない話ではないでしょうか?ここに介護・福祉分野の闇を感じます。
断言しましょう。ボランティアという言葉を乱発するような施設はブラックです。
介護職をちゃんと労働者としてみているのならば、相当の賃金を払うべきですから。