スピーチロックの定義とは?
スピーチロックというのは「言葉の拘束」のことです。
例を出すと
「立っちゃダメ!」
「ちょっと待って!」
とかになります。これは拘束にあたるのでやめようという運動があるわけですが、ここで大きな問題があります。
というのもスピーチロックの定義っていうのがズバっと出てこない。
「スピーチロック 定義」で検索しても大阪市のサイトによるアンケート結果のPDFが出てくるだけで、これという定義は見つかりません。
同じく大阪市のサイトに置いてあったPDFファイルの特別養護老人ホームの発表より抜粋すれば、
スピーチロック:
「言葉による拘束」のこと。言葉によって利用者の行動を抑制し、制限したりする介護者の「言葉による対応」を指す。
これが一番定義に近いように思います。
どうして定義にこだわるのかというと、定義がなければ防ぎようがないんじゃないか?と思うからです。
むしろ明確な定義がないまま話が進んでいることが不思議じゃないですか?
今の運動としてはこうです。
「ちょっと待ってください」
というのはスピーチロックにあたるので、
「申し訳ありません。2、3分お待ちいただけますか?」
「今他の人の介護をしているので終わり次第行きます」
などに言い換えることでスピーチロックを防ぐ。
一見正しいように見えますが、結果としては待たせるわけです。これは行動の抑制にならないんでしょうか?
もしこれが正しいのであれば、お店などでわたし達が受けるような対応をすれば良いということです。
つまりホテルマンのような。
わざわざ、スピーチロックという言葉を出さなくても良くって言葉遣いを気をつけましょうですむような気がしませんか?
それに
「申し訳ありません。2、3分お待ちいただけますか?」
という言葉も皮肉たっぷりに言えば、十分ダメだと思います。
単なる言葉狩りみたいなことでいいんでしょうか?
スピーチロックをしないための解決策
これはあまりにも簡単です。
介護職を補充する。
これだけです。
「ちょっと待って」のところを誰か他のスタッフに振ることが出来れば待ってもらわなくて済むわけですから。
その他のことだってゆっくりと関わることができます。
こんなことはスピーチロック云々以前の話です。
つまり、現場に「スピーチロックをやめよう!」と言うのと同時に、経営者に労働環境の見直しを提案しなければ何の意味もないということになります。
(もしあなたがあまりにひどい現場にいるのなら、介護職不足の今こそ転職のチャンスかもしれません)
スピーチロックははるか遠い問題
スピーチロック運動はおそらく現場のことを知らない人たちが提唱しているんだろうと勝手に思っています。
というのも、スピーチロックの話題でよく問題にされる「ちょっと待って!」ですが、現場で起こっていることはもっとひどい。
「何やってんだよ!」
「今行けないって何度も言ってるだろ!」
このくらいの言葉が飛び交うのが現場です(もちろんコール連打などケースは限定されるとしても)。
現場でもそれは良くないことはわかっていますし、言葉遣いに気をつけようという議題は常に上がってきていますが、それにしても乖離がひどい。
わたしにははるか遠い話のように思えて仕方ありません。
みなさんの施設ではどうでしょうか?